家路守設立のきっかけ

「優れた防災技術・製品の実用化を支援します」

という案内が・・・

私は案件管理ソフトや文書管理ソフトの開発に係わっている仕事をしている関係で、2012年にスマートフォンで撮影した画像を活用した営業支援システムを開発しました。当時からこのシステムを改良すれば、スマートフォンで撮影しただけで、防災や減災に役立てる仕組みが作れると思っていました。しかし、このような仕組みの開発は自治体と大手ベンダーが一緒に開発するものだと思っていたので、あえて着手せず数年が経過しました。 しかし、どの企業もどの自治体からも、このようなサービスは提供されないまま、2016年の春に東京都から防災製品の助成事業の案内を頂きました。

防災4.0未来構想プロジェクト有識者提言(内閣府)

申請書を書くにあたり、防災について調べてみると、内閣府のサイトに「防災4.0未来構想プロジェクト」という項目を発見しました。 2015年12月に発足したこのプロジェクトでは、公助の限界を明言し、「自助」「共助」による備えを国民1人1人が取り組むべきだと書いてありました。そして、ソーシャルメディアを活用した一次情報を集約し、共有するシステムの構築が期待されると書いてありました。 しかし、有識者が集まって会議しているわけですから、私が思いつくようなアイデアは当然検討されているだろうし、既に大手企業が着手しているだろうと、再び申請書を投函する事を躊躇しましたが、せっかく申請書を書いたので「心子いるよ!」という事業名を付けて投函しました。 http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kenkyu/miraikousou/index.html

事業プランの採択、そして意外な展開

「心子いるよ!」はまさか採択されるとは思いませんでしたが、採択されて約1年後にプロトタイプが完成しました。その後、東京都のニューマーケット開拓支援事業にも採択され、現在ご支援を頂いております。自治体にヒアリングをしたところ、意外な事が分かってきました。 「とても良い仕組みなので、あったら良いなと思いますが、自治体が主体となってサイト運営をすることは難しいと思われます」 と一様な返事が返ってきました。

誤報、フェイクニュース、個人情報

災害時には必ずと言って良いほど、フェイクニュースが問題になります。SNSの普及と共に、心ない人のデマが膨張してフェイクニュースになってしまうパターンが増加しています。このようなネット社会の負の部分が、一次情報活用のシステム開発にブレーキを掛けていることが分かってきました。確かに、行政・自治体が主体となって運営している情報サイトがデマの発信源になってしまうかもしれないリスクには慎重にならざるを得ないのは当然だったのです。

NPO家路守の設立

しかし、助かる命があれば、助けたいと思うのもあたりまえの思いです。 ユウトハンズが開発した「心子いるよ!」はNPO家路守にバトンを渡して、多くの人達を巻き込みながら、次のステージを目指すことになりました。 自治体や消防署の方々からも「NPOでやってくれたら有り難い」そして「その情報を自治体も活用したい」という返答をいただいています。 NPO家路守は、地域住民と行政・自治体との新しい関係作りを創造し、持続可能な社会問題解決組織を目指します。

NPO家路守の設立へ

『家路守』と聞いてどんなイメージを想像されますでしょうか? 昔、灯台守という職業がありました。1957 年にこれをテーマにした「喜びも悲しみも幾年月」という高峰秀子、佐田啓二主演の映画が大ヒットしました。 当時は、海とは恐ろしい場所であり、映画では航海する船の無事を祈って献身的に火を灯したのです。 しかしGPS やテクノロジーの発展とともに、近年では航海の安全性は飛躍的に高まりました。 「灯台守」の仕事は機械化され、その役割も小さくなってしまいました。 そして近年、都市では高層建築物がそびえ立ち、地下には幾重にも地下鉄や水路が張り巡らされています。 この数十年で都市の危険度は、数倍に増大したといえます。 利便化された都市は、ひとたび地震や水害が発生すると、海や山よりも危険な場所へと変貌してしまいます。 つまり都市は秘境化したともいえるのです。 かつて海に「灯台守」が存在したように、現代の都市には「家路守」が必要だと私たちは考えます。 「灯台守」は専門職員の仕事でしたが、『家路守』は被災者一人ひとりが自ら一次情報を提供することで、隣人を助けることができる『心子いるよ!』を提供し、その運用を推進します。 『家路守』に賛同して頂ける人が支援者となり、だれもがこれを利活用することができます。 『家路守』は内閣府が掲げた「防災4.0」未来プロジェクトで提言されている「自助」「共助」のインフラ構築の支援をします。 被災現場の一次情報をみんなで共有し、一人でも多くの命を救うプロジェクトです。